「ユマニチュード」考案者 イヴ・ジネスト氏講演会開催
6月13日、マルチモーダル・コミュニケーションケア技法「ユマニチュード」に関する講演会を、開発者であるイヴ・ジネスト先生(京都大学こころの未来研究センター特任教授)をお招きし開催しました。フランスで40年の実績を持つケア技法「ユマニチュード」は、認知症を始めとしてケアを必要とする方々の尊厳を重視し、優しさを直に伝える双方向性コミュニケーションに基づく技法として世界中で注目を集めています。
人とは何か、という哲学に基づき、「見る」「話す」「触れる」「立つ」という4つの柱に支えられた実践的なケア技法を、国内外の様々な事例を挙げながらご説明いただきました。例えば、攻撃的な態度を取っていた方がケアを受け入れるようになった、言葉を発しなかった方が再び話すようになった、など、驚くべき事例が多数紹介されましたが、いずれも、奇跡や魔法ではなく、全て科学的裏付けに基づいたケア技法に依るものということです。
科学的介護の実現のために、いわゆるハイスキル介護者といった、介護者個人の技能に頼っていたところを、科学的に分析することが求められています。今回、「ユマニチュード」もその一つとして紹介をしていただきましたが、普遍的な技法の一つとして更に研究が進むことを期待しています。