対談企画 参議院議員 小川克巳 × 理学療法学科学生


*対談企画(参議院議員 小川克巳 × 理学療法学科学生 他)

期 日:9月13日(木)

場 所:参議院議員会館405号室 小川克巳事務所

出席者:樽見柚美さん(大学4年生)

横田達之さん(大学4年生)

宮崎雅貴さん(大学2年生)

青木こむぎさん(大学2年生)

塩野友貴さん(大学2年生)

舘智憲さん(理学療法士1年目)

 

小川 今日はいろいろとお話しさせて頂きたいと思っています。まず私ですが、第8回の国家試験を受け、今年が53回でしたから、理学療法士になって45年になります。臨床経験を積んだ後で、養成校の教員を33年間やっておりました。議員としては3年目に入ったところですが、残り4年間きちんと役目を果たしていきたいと思っています。皆さんも自分たちの将来がどうなるのかっていうことが気になると思います。今日は皆さんからの質問にお答えしていきたいと思います。

樽見 私は将来、小児の分野に進みたいと考え、障がい者の支援活動をしてきました。小川先生のホームページの政策に障害を有する方の参加型社会の構築とあったのですが、具体的にどのような参加型社会を目指されるのか、また理学療法士としての社会参加支援はどのように拡大していくのかを教えて下さい。

小川 今、日本は少子高齢社会ということで、少
子化は非常に大きな問題です。高齢化も同じで、医療費がかさむわけですね。そういう中で、国は軽度障がい者、女性、それから高齢者の方に生産現場へ積極的に参入して欲しいと考えています。軽度の障がい者の方は、環境を整えることによって出来ないことも出来るようになります。例えば特例子会社制度というものがありますが、これは障がい者のために働きやすい環境を整えた会社を、企業の子会社とすることが出来るシステムなんです。環境を整えることが大切で、それを推進することが今の制度の中では一番だと思います。もちろんそのためには専門家が必要で、その障がい者にどういう能力があって、どのように環境を整えれば、どういう仕事が出来るのかを考える必要があります。そこに我々理学療法士がまずは関わっていけるよう進めて行く必要があります。

宮崎 将来、希少価値のある理学療法士になるには、やはり海外で理学療法を勉強した方が良いと思いますか?

小川 海外旅行なども含めて、いろいろな形で海外へ飛び出して見識を深めることは非常に良いことだと思います。国際感覚や言語を身につけることも大事だと思います。ただ単に海外で理学療法を勉強することが、直接希少価値に結びつくとは言えません。何を身につけたか、それが大切だと思います。例えば、日本でまだ手つかずの分野の理学療法の先駆者になるなど、です。ただ日本の理学療法のレベルは相当に高いと思いますよ。海外で学ぶこと=希少価値とはならない時代でしょう。

塩野 私は将来、ウィメンズヘルスケアの分野で、臨床、教育、研究の3つを柱に活動したいと考えています。具体的には大学の教員になりたいと思っています。また、病気や障害を持った母子のケアをできる施設を作りたいとも考えています。しかし、現在の日本には理学療法士に開業権がありません。そのため、そういったセンターを設立する際には開業ではなく起業という形になると思います。そもそも男性の理学療法士が少ないこの分野では、私にとってウィメンズヘルスは未知の領域です。何か先生のお考えがあれば教えて下さい。

小川 どうしてウィメンズヘルスに興味を持ったのですか?

塩野 私の母が私を産んだ際に病気にかかってしまって、現在も少し苦しんでいます。そういった方々の力に私がなれればなと思いました。

小川 先ほど申し上げたように女性活躍を推進するという政策を掲げてもいるため、これから注目を浴びる分野ですし、大事なことだと思います。

お尋ねの件については、医師を雇用するか契約をすればいいということになります。施設を作るとなればお金さえあれば出来る。ですが、医療の範疇で理学療法を提供するためには医師の指示が必要です。医療法、医師法等に抵触しない形での事業のあり方を考える必要がありますね。

横田 私はサービスとしての産業分野に興味がありまして、理学療法士の持てる知識や技術をサービスとして社会に活かしていきたいと思っています。保険外の自由診療における理学療法の可能性・展望についてお教え下さい。

  健康寿命の延伸や医療費削減のための予防理学療法に関する見解と今後のヴィジョンなどを可能な限り聴かせていただきたいです。また、再生医療の発展が理学療法業界に与える影響についてお考えがあれば教えていただきたく思います。

小川 自由診療については、現状では日本の保険制度に馴染みにくいと思っています。予防理学療法学会に私も属していますが、予防はとても大事ですね。理学療法士の能力・技術・知識は相当高いと思います。医療や介護だけでなく、もっと社会化すべきだと思います。ただ制度上の問題で、自由診療も予防も診察だとか治療だとかっていう言葉は使えません。また制度というのは後追いで出来ることが多く、事実が先行して国民に受け入れられると、それは制度化される。だから仕組みがないから出来ないということではありません。今後、医療保険や介護保険という公的保険制度によるセーフティネットから外れる人はたくさん出ると思います。これらの人たちへのサポート体制、言わば、医療、介護に続く三番目のセーフティネットを構築していく必要があって、そのために主体的に貢献できるのが理学療法士だと思っています。日本の医療費を下げるためにも予防は大切で、我々に何が出来るのかを好事例を積み上げていかなければいけないと思います。

再生医療やロボティクスについては私も大きく関心を寄せているところで、これらの進捗や方向によって、リハビリテーションそのものが大きく変わり得ると思っています。そうなったときに理学療法士が今後どう関わっていくのか考えておく必要があります。AIと勝負しても人間が勝つことは容易ではありません。AIやロボティクスとの差別化をどうするのか、またこれらをツールとして見た時に、どう効率的に使うのか、使いこなせるのかという視点で付き合ってもらいたいと思います。

先ほどの三番目のセーフティーネットについてですが、国は自助・互助・共助とはっきり言っています。だから自分たちで地域の力を付けましょうと。地域の力を付けるためには、制度を支える人たちが必要なので、そこのキーマンとして理学療法士には活躍の場が多くあります。この分野は、産業理学療法もそうだし、予防理学療法、健康増進、引きこもり予防、障害予防など、まだ開拓していない荒れ地みたいなものですが、これから開墾して更地にする、ということを今模索しているところです。

実際に社会の理学療法士に対するニーズは非常に大きくなっています。ただそのためには公衆衛生や地域のマネジメントに関する知識、あるいは多職種連携などを知っておく必要があります。そういう教育を必須化していくためには、やっぱり今の3年という教育制度では無理があります。最低でも4年制が必須、そしてプラス1年の臨床研修制度にしないと地域には出て行けないと思っています。

塩野 失礼でなければ、小川先生がなぜ参議院議員となろうと思われたか、またなられるまでの過程などを教えていただけたらとも思っております。

小川 これまで私の人生設計の中に政治というものはまったくなく、よもやこうして議員になろうとは夢にも思っていませんでした。理学療法士は良い仕事だし、仕事に楽しみや生きがいも感じられるのですが、ただそれだけでは食べてはいけません。私たちは生活を背負っていく必要がありますが、給料は昔からずっと大きく変わっていません。社会的弱者と言われる障がい児・者、高齢者、に寄り添う理学療法士が、自らの生活に不安を抱えていては患者さんのための勉強もできず、十分な貢献ができません。国民からのニーズに応えられる理学療法士であり続けるために私が役に立てるなら、ということで、全国の仲間たちの熱い思いを背負ってここに来ました。

皆さんの質問は非常に当を得ていると思います。皆さんには理学療法士は何が出来るのかを、現場でしっかりと示してほしいと思います。「リハビリ」としてまとめないで、理学療法とは何なのかをしっかり伝えていかなければいけない。また若い皆さんにはしっかりとお互いで議論をしてほしいと思います。いろんな議論をやって、それが後々の糧となるので是非お酒を飲みながらにでもして下さい。

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